事前準備から完成までのステップ

  1. 遺言内容の検討
    遺産の一覧作成、相続人との関係整理、分配割合や付言事項の決定を行います。
  2. 公証人役場への予約
    最寄りの公証人役場に連絡し、作成希望日時を押さえます。事前に必要書類や費用を確認しましょう。
  3. 必要書類の準備
    • 遺言者の印鑑証明書(発行後3ヵ月以内)
    • 遺言者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
    • 財産目録(不動産登記事項証明書など)
    • 証人2名分の本人確認書類
  4. 公証人との面談・原案作成
    公証人が面談しながら原案を作成。必要に応じて修正を依頼し、最終案を確定させます。
  5. 署名・押印と証人立会い
    遺言者と証人2名が原案に署名・実印押印します。公証人も署名・押印して公正証書が完成します。
  6. 正本・謄本の受領
    遺言者には正本を、公証役場に謄本が保管されます。正本は厳重に保管しましょう。

証人の役割と選び方

  • 立会証人として遺言者の意思能力を確認し、署名・押印が遺言者本人によるものであることを証明します。
  • 利害関係がない中立的な人物を選ぶ必要があります。
  • 家族や相続人に含まれると無効リスクがあるため、友人や勤務先の同僚などが適切です。
  • 証人1人でも職務上の欠格事由(未成年者、破産者など)がないか確認しましょう。

費用の目安

以下の表は遺産総額と手数料の一例です。実際には資産額ごとに段階的な料金が設定されます。

遺産総額(目安)公証人手数料(正本作成)謄本1通あたり証人呼出手数料(1人)
500万円以下5,000円500円1,000円
500万円超~1,000万円7,000円500円1,000円
1,000万円超~3,000万円11,000円500円1,000円
3,000万円超~5,000万円17,000円500円1,000円

公正証書遺言のメリット・デメリット

メリットデメリット
公証人のチェックにより形式不備がなく、高い証拠力を持つ手数料や証人手配など費用・手間がかかる
原本を公証役場で保管するため、紛失や改ざんのリスクがほぼない公証人役場に出向く必要がある
遺言内容の秘密保持が担保されつつ、必要に応じて遺族も謄本取得可能証人の条件や人数に制約がある
家庭裁判所の検認手続きが不要となり、相続開始後の手続きがスムーズになる作成後の修正・追加には再手続きが必要

次回は「秘密証書遺言の活用法」について解説します。