遺言書を残す際、「家族に内容を知られたくない」「内緒にしたい事項がある」というケースは意外に多いものです。そんなときに役立つのが「秘密証書遺言」です。今回はその全貌と手続き、そして他の方式との違いを分かりやすく解説します。
秘密証書遺言とは何か
秘密証書遺言は、遺言者が自分で書いた遺言書(文書)を封印し、その存在だけを公的に証明してもらう方式です。
- 遺言の内容は完全に遺言者と証人のみが知る
- 封印したうえで、公証人役場へ提出
- 形式が整っていれば、家庭裁判所の検認手続き後に開封
この方式を選べば、遺言の中身を第三者に明かすことなく、法的な効力を担保できます。
手続きの流れ
- 遺言書の作成
- 紙とペンで自筆、またはパソコンで作成
- 日付と氏名を記載し、署名または記名押印
- 封印
- 遺言書を封筒に入れ、封筒口をのり付け
- 遺言者が封印(封印箇所に署名・押印)
- 公証人役場での手続き
- 遺言者と証人2名が公証人役場に出向く
- 封印された遺言書を提示し、「秘密証書遺言として保管」を申請
- 公証人が封印の存在のみを証書に記載し、遺言書には手を触れない
- 検認と開封
- 遺言者死亡後、家庭裁判所で検認手続き
- 検認後に初めて開封し、内容を確認
他方式との違い
ポイント | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 |
---|---|---|---|
内容の秘密性 | 完全にプライベート | 公証人・証人に公表 | 公証人にも非公開 |
作成手続き | 自宅で完結 | 公証人役場で全文作成 | 自己作成+公証人役場で証明 |
費用 | ほぼ無償 | 数万円~ | 証書作成料+手数料 |
形式不備のリスク | 高い | 低い | 形式チェックあり |
秘密証書遺言は内容を完全に秘匿できる反面、形式に不備があると無効になるリスクもあります。事前に行政書士、公証人に相談して書式を確認しておきましょう。
次回は「相続人と相続分── 誰にどれだけ渡る?」をお届けします。遺言を残す過程で誰に託すべきか迷っている方は、ぜひご期待ください!