遺言書を残す際、「家族に内容を知られたくない」「内緒にしたい事項がある」というケースは意外に多いものです。そんなときに役立つのが「秘密証書遺言」です。今回はその全貌と手続き、そして他の方式との違いを分かりやすく解説します。


秘密証書遺言とは何か

秘密証書遺言は、遺言者が自分で書いた遺言書(文書)を封印し、その存在だけを公的に証明してもらう方式です。

  • 遺言の内容は完全に遺言者と証人のみが知る
  • 封印したうえで、公証人役場へ提出
  • 形式が整っていれば、家庭裁判所の検認手続き後に開封

この方式を選べば、遺言の中身を第三者に明かすことなく、法的な効力を担保できます。


手続きの流れ

  1. 遺言書の作成
    • 紙とペンで自筆、またはパソコンで作成
    • 日付と氏名を記載し、署名または記名押印
  2. 封印
    • 遺言書を封筒に入れ、封筒口をのり付け
    • 遺言者が封印(封印箇所に署名・押印)
  3. 公証人役場での手続き
    • 遺言者と証人2名が公証人役場に出向く
    • 封印された遺言書を提示し、「秘密証書遺言として保管」を申請
    • 公証人が封印の存在のみを証書に記載し、遺言書には手を触れない
  4. 検認と開封
    • 遺言者死亡後、家庭裁判所で検認手続き
    • 検認後に初めて開封し、内容を確認

他方式との違い

ポイント自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
内容の秘密性完全にプライベート公証人・証人に公表公証人にも非公開
作成手続き自宅で完結公証人役場で全文作成自己作成+公証人役場で証明
費用ほぼ無償数万円~証書作成料+手数料
形式不備のリスク高い低い形式チェックあり

秘密証書遺言は内容を完全に秘匿できる反面、形式に不備があると無効になるリスクもあります。事前に行政書士、公証人に相談して書式を確認しておきましょう。


次回は「相続人と相続分── 誰にどれだけ渡る?」をお届けします。遺言を残す過程で誰に託すべきか迷っている方は、ぜひご期待ください!